コラム
Bluetoothの概要
- (1)Bluetoothは携帯情報機器の接続に使われる短距離無線通信技術で、BluetoothSIG(Special Interest Group)にて標準化を行っている。免許のいらない2.45GHz帯(ISM Band)を利用し、最高24Mbpsの速度で通信を行うことが可能。
- (2)現在、Bluetoothのバージョンは1.1/1.2/2.0/2.1/3.0(Classic)と4.0/4.1/4.2/5.0/5.2(BLE)があり、バージョン4.0以降の最大の特長であるBluetooth Low Energyと呼ばれる省電力機能を導入。 また、バージョン3.0以前とバージョン4.0以降の通信互換性はない。
- (3)バージョン4.0はBluetooth SmartとBluetooth Smart Ready(デュアルモード)の2種類の規格が存在し、Bluetooth Smart Ready対応デバイス同士でのみ、Bluetooth Low Energy(BLE)による低消費電力モードでの通信が可能。無線LANルータ、Wi-Fiブリッジ。
Bluetooth規格の沿革
Ver 1.1 : 2001年2月
- 普及バージョン
ver1.2(+BDR) : 2003年11月
- 2.4GHz帯域の無線LAN(11g/b)との干渉対策AFH(Adaptive Frequency Hopping)が盛り込まれた。
ver2.0(+EDR) : 2004年11月
- 容量の大きいデータを通信する際に最大通信速度が3Mbps(ver1.2の約3倍)の通信に切り替えるEDR (Enhanced Data Rate) がオプションで追加。
ver2.1(+EDR) : 2007年7月
- ペアリングが簡略化(Secure Simple Pairing機能)され、近距離無線通信のNFC (Near Field Communication) に対応。マウスやキーボードなどのスリープ時間が多い機器のバッテリーを最大で5倍延長できるSniff Subrating機能(=省電力モード)が追加。
Ver3.0(+HS) : 2009年4月
- PAL(Protocol Adaptation Layer) とAMP(Generic Alternate MAC/PHY) によって無線LAN規格IEEE 802.11のMAC/PHY層の利用が可能となり、最大通信速度が24Mbps(ver2.1の約8倍)となるHS (High Speed) がオプションで追加。また、電力管理機能を強化し、省電力性を向上。
Ver4.0(+BLE) : 2010年6月
- 大幅な省電力化を実現する低消費電力モード(Bluetooth Low Energy=BLE)に対応(Bluetooth SIG資料によれば、ボタン電池1つのみでも数年駆動可能としている)。
- 転送速度は1Mbps、データパケットサイズが8-27オクテットと短いパケットをサポート。センサとのデータ通信に向けた仕様となっている(ベンダは3.0、4.0をそれぞれ目的別に採用する必要がある。4.0は以前のバージョンとの互換性を持たない。ただし、ホスト側は2.1もしくは3.0を組み込んだ「デュアルモード」を実装できる。
Ver4.1 : 2013年12月
- LTEとの干渉抑制、IPv6対応、6LoWPAN(IoT規格) でモノインターネット(IoT)対応。
Ver4.2 : 2014年12月
- セキュリティ強化(FIPS対応)、データ長が最大251オクテットに拡張。通信速度(アプリケーションスループット)が260kbpsから650kbps(2.5倍)へ高速化。
Bluetooth3.0/4.0仕様比較
周波数ホッピングスキーム
BLEでは、データ・サイズを小さくし、通信間隔を長くすることで低消費電力化を図っている。
Classic Bluetoothでは、2402-2480MHzの間に1MHz間隔で79個のチャネルをランダムに選択。 FH(Frequency Hopping)により、ストリームが途切れないよう1600times/sec周波数チャネルを切り替える。AFH(Adaptive Frequency Hopping):Bluetooth1.2から採用。